以前、あるコミュニティに所属していたとき、ことあるごとに「なんなんですか!」と怒りをぶつけてくる人がいた。
何か特定の問題があるわけではない。
誰かが何かをしたわけでもない。
ただ、自分が気に入らない状況になると、反射的に「なんなんですか!」が出てくる。
その言葉を聞くたびに思った。
この人は、 具体的な不満があるわけではないのではないかと。
ただ “なんか嫌” という感情を吐き出しているだけなのではないかと。
「なんなんですか!」は、不満の言語化ができない人の口癖
「なんなんですか!」という言葉は、不満の中身を説明していない。
- 何が問題なのか
- どこが嫌なのか
- どうしてほしいのか
そのどれも言っていない。
ただ、「気に入らない」という感情だけが前面に出ている。
つまり、怒りの理由が自分の中で整理できていない状態。
怒りの矛先が曖昧だから、抽象的な怒りだけが飛び出している。
そして、私は思う。
具体的に言語化できない不満は、大した不満ではない可能性もあるではないかと。
そんな曖昧な状態で、他人に怒りをぶつけるのは違うのではないかと。
人は、自分の感情をうまく言葉にできないとき、その感情をそのまま外に向けてしまうことがあるらしい。
自分の中のモヤモヤを、言葉にせず、整理もせず、そのまま他人にぶつける。
これは、自分の感情を他人に処理させようとしている状態だ。
「なんなんですか!」は、その丸投げの典型だと思う。
「なんなんですか!」と言われると周囲は困る
「なんなんですか!」は、方向がないから、周囲を困らせる。
改善したいことがあるなら、「こうしてほしい」と言えばいい。
困っていることがあるなら、「ここが困っている」と言えばいい。
不満があるなら「ここが不満だ」と言えばいい。
「なんなんですか!」だけでは、何を主張しているのかがわからない。
怒りの方向が定まっていないから、周囲にとっては「ただの攻撃」にしか見えない。
言語化できない感情を丸投げされた周囲は、その人の感情の処理をさせられる。
- 何が嫌なのか推測する
- どこが問題なのか探る
- どうしたらいいのか考える
本来は本人がやるべき「感情の整理」を、周囲が代わりにやらされる。
これは、とても負担が大きい。
周囲が疲弊しないわけがない。
まとめ
「なんなんですか!」は、自分の感情の処理を他人に丸投げする言葉だ。
周囲は、感情の処理係ではない。
だから私は、「なんなんですか!」という人に対しては、感情を引き受けすぎない距離感で対応したいと思っている。
完全に拒絶するわけではない。
その人が困っているなら、協力できることもあるはずだ。
でも、言語化されていない怒りを丸ごと受け取って、その理由を探して、どうしたらいいか考えて、その人の感情の後片付けまで引き受けるのは違うと思う。
だから、必要以上に巻き込まれない距離を保ちながら、できる範囲で関わる。
それが、今のところの私の答えだ。

